この記事でわかること
私たちデータストラテジー第1事業部では、BI利活用促進やDWHの構築などを通して、スピード感のあるDX推進をご支援するために様々な業務を行っています。
私個人としては米Tableau Software社(https://www.tableau.com/ja-jp )が提供するセルフBIツールであるTableauの推進者DATA Saber(旧Jedi)として社内外でのTableau活用、ひいてはデータ分析活動の普及に向けて駆けずり回っております。
今回はそんなセルフBIツールであるTableauのダッシュボードについて、ちょっとした工夫でデータを瞬時に理解し、見栄えよいダッシュボードを仕上げるためのTipsをいくつか紹介します。
目次
- 改善対象のダッシュボード
- 改善後のダッシュボード
- Tips
- まとめ
1.改善対象のダッシュボード
改善対象となるダッシュボードを用意しました
改善効果が分かり易いよう少々極端に作りすぎたかもしれませんが、特に色味のないテキスト表や円グラフ等、業務ダッシュボードでよくある形かと思います。
今回はあくまで“得られる情報量はこのままで“より見やすく、気付きを得やすいようなダッシュボードにするには?という観点でいくつかTipsを紹介します。
2.改善後のダッシュボード
今回紹介するTipsを盛り込んで手直ししたダッシュボードがこちらです。
3.Tips
1つずつ詳しく見ていきます。
- サマリー表
Before
After
ダッシュボードにサマリー的に売り上げ等の数値を集計した値を表示することはよくあるパターンかと思います。
ここでは
・数値のサイズアップ&色付け
・ラベルのセンタリング
・罫線の変更
を行っています。やっていることはただの書式設定ですがこれだけでも見やすさはかなり向上するのではないかと思います。
特にサマリー表はダッシュボードの左上に配置することが多く、最初にユーザーの目に留まる部分になるので、よりキャッチーなものであるべきと考えています。
- 構成比グラフ
Before
After
売上に占める商品カテゴリ毎の比率を円グラフから棒グラフに変更しています。
円グラフはデメリットとして
・パイ同士の比較をしにくい
・四隅に無駄なスペースが生まれてしまう
・ラベルを配置しにくい
等、利用シーンによっては使いにくいケースが発生します。
今回の例では円グラフから棒グラフの構成比に変更することで、より省スペースで同等の情報を得られるような改善を行っています。加えて色の要素を取り除くことによって凡例も削除しています。
棒グラフにする際、細かい箇所ですが軸のラベルを50%刻みにしてあげることでより簡素にすることが可能です。(デフォルトだと10%毎にラベルが表示されてしまいます。)
構成比はMAX100%を超えることはないので軸の表示を一切なくしてしまうというのも検討して良いかもしれません。
- 売上棒グラフ
Before
After
カラフル過ぎるのもよくないのですが、ここでは「地方、都道府県ごとの売上規模を“スクロールなく”俯瞰したい。」というオーダーがあると仮定してツリーマップを作成しました。
棒グラフは間違いなく最も有用なグラフ種類の1つではあるのですが、数が多くなると視認性が悪くなる場合もあります。
対してツリーマップは要素が複数の場合でも比較的少ないスペースで全体を見渡すことが可能です。
ただし、面積の大小によってラベルが省略されてしまうケースがあるので、ツールヒントの整備を細かく実施してあげることでユーザビリティを損なわないような意識が必要です。
- テキスト表
Before
After
Tableauを使っている側としては悲しい話なのですが「Excelと同じように作ってほしい」というオーダーはなかなかなくなることはありません。そこで私はせめてもの反抗の意思も込めてハイライト表をお勧めします。
背景に色をつけつつ、フォントカラーも背景に合わせて変更することで、良い箇所、悪い箇所を瞬時に把握しつつ、見栄え良く視覚化することが可能になります。
ただし、マークカラーの一致は背景色によっては逆に視認性を損ねる場合があるので注意が必要です。
先ほどのツリーマップでも手を入れていますが、数値の表示単位を省略表示(KやM、千や万)にしています。企業の文化によってはKやM等のアルファベットでの表記を排除している場合もあるので、一番馴染みのある表記を利用するようにしましょう。
- 全体的な改善ポイント
ダッシュボード全体を通して、コンテンツの余白を少し手入れしています。
デフォルトでは上下左右4となっていますが、少し大きめに余白を取ることで見やすくなるケースが多いです。
また、ダッシュボードタイトルも背景をつけてメリハリのある見た目にしています。
業務ダッシュボードで見た目は取るに足らない箇所…と捉えるのではなく、何よりも「見てもらうこと」がデータ視覚化に於いて重要なポイントと考えます。
4.まとめ
今回ご紹介した内容は特にデータ回りの手直しは不要で、書式やグラフタイプ等のダッシュボード修正だけで実現できるものばかりです。BeforeからAfterまで30分程で完成します。どれもすぐに試せるものばかりなので、是非お試しください。
Tableau初回の記事でいきなり改善Tips集を書いてしまいましたが、そもそもTableauって何?や、どのように社内にBIを根付かせていくの?等々随時記事にしていきたいと考えています。