はじめに
感染症対策として在宅勤務が推奨されるようになり、「在宅勤務、リモートワーク」という働き方は一般的になりました。
私達の会社、デリバリーコンサルティングでは、原則リモートワークとなっており、ワクチンや特効薬の開発などによりコロナ禍が収束した後も、このままリモートワークが続いていきます。
会社の掲げる「行動指針が会社全体に定着している」と感じる社員が多い当社で、現在の働き方はどのように受け入れられているか調べてみました。
この記事では、
- 当社のリモートワーク推進、働き方改革に関する取り組み
- 同じ事業部の社員に対して「リモートワークについてのアンケート」を行った結果
をご紹介したいと思います。
目次
- はじめに
- デリバリーコンサルティングの取り組み
- リモートワークについてのアンケート
- アンケートのまとめ
- 最後に
デリバリーコンサルティングの取り組み
この1年ほどで、当社でもリモートワーク推進や働き方改革に向けての様々な対応が行われました。
- 在宅勤務手当の支給開始
- 勤怠管理システムの運用方法をリモートワークに対応した形に変更
- リモートワークを含む業務全般の改善について検討する委員会が発足
- アワード制度の導入
- オフィス内の座席が固定制からシステムを利用した予約制に(東京オフィス)
- IT資産管理、情報漏洩対策ツールの導入
また、リモートでの勉強会や飲み会などの交流の場も設け、実施を重ねて今後どのように運営するのが良いのかを模索しています。
リモートワークについてのアンケート
リモートワークを始めてから約半年後の 2020年10月頃に、私が所属しているデジタルマイグレーション第2事業部 第2グループのメンバー13人にアンケートを取ってみました。
Q1. リモートワークは自分に合っていると思いますか?
コロナ禍という状況もあり、全社員が一斉にリモートワークに移行しましたが、実際にやってみてどう感じているのか? を聞いてみました。

8割近くがリモートでの働き方が自分に合っていると答えました。
「どちらでもない」と答えた人も、『メリットとデメリットがどちらもある』という意図で「どちらでもない」と答えています。ほとんどの人がリモートワークのメリットを感じているようです。
「若い人の方がリモートワークに適応してるんじゃない?」と思う方もいると思いますが、今回は年齢層は関係なく意見分布が見られました。
Q2. Q1の理由(メリット・デメリット)
◇とてもあっている、あっていると答えた人
【メリット】
- もともと通勤時間が長かったため、空いた時間を活用できるようになった
- 小さなことでもメールやチャットで相談しやすい環境になった
- 作業場所に関わらず同じパフォーマンスが出せているから
- 個室があり、周りが静かで作業に集中しやすいから
- 周囲に気を使う必要がなく、自分の作業に集中できるから
- 作業時間と休憩時間の切り替えの自由度が上がるから
- 日々の小さなストレスが減り、健康的になった
- 自炊が増えて健康的な食事になった、晩御飯の時間が早くなり痩せた
【デメリット】
- 運動不足になっている
◇どちらでもないと答えた人
【メリット】
- 問題なく業務ができている
- 通勤時間がないのは楽
【デメリット】
- メンバーとのコミュニケーションがとりづらい
- 徒歩通勤で運動も兼ねていたので運動不足が加速している
- もともと家では作業や勉強が捗らないから
◇あっていないと答えた人
【デメリット】
- コミュニケーションがとりづらく、相手の発言の意図を正しく理解することが難しい
- 生活をする部屋と仕事部屋が同じのため、気持ちのオンオフがしづらい
- 要領の良い先輩の作業環境や仕事の進め方などの行動を見て学ぶことができないから
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「通勤・移動」「食事や運動」「作業環境・作業効率」についての意見が多く見られました。
通勤・移動に関しては、ほとんどの人が時間やストレスの面でメリットを感じていました。
食事や運動に関しては、リモートワークが合う合わないにかかわらず、「変化はない」「良くなった」「悪くなった」など、意見は分かれました。
リモートワークが適・不適と感じる要因は作業環境・作業効率が大きく関わると思われます。
◇ その他
新卒入社の社員、リモートワーク期間に入社した社員、マネージャーの社員など…その人ならではの悩みもあるようです。
【デメリット】
- 先輩の仕事の進め方や作業環境などを見て学ぶことができない
- 名前は知っているし良く会話するが、顔を知らないという人が多い。顔と名前を一致させられるような仕組みがあったら嬉しい。
- 移動などの隙間時間がないため、一日中ミーティングということもあり、辛いときがある
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特に2つ目は、私も感じています。顔や性格など「あの人はこういう人だ」という情報はリモートワークでは得にくいものです。
当社では、入社時に自己紹介を全社向けにメールで送る慣習があり、自分より後の新入社員については少し情報が得られます。しかし、自分より前に入社している社員については、他の社員からの話を聞いたり、実際にテレビ会議やチャットなどでコミュニケーションを取らないと名前しか分からない状況になります。
この点は、日々業務をする上でも、また評価などの面でも、今後の課題となるでしょう。
Q3. これからリモートワークをどのように取り入れていきたいと思いますか?(複数回答可)
リモートワークを今後どのように取り入れていきたいか、出社の頻度という観点で聞いてみました。

リモートワークが合う・合わないを問わず、リモートワークをベースとして働きたいという意見がほとんどでした。
その上で、他のメンバーと顔を合わせる機会もあったらいいな、と感じている人も多くいました。
驚いたのは、「リモートワークが合っていない・どちらともいえない」と答えていた人も、リモートワークで働きたいと答えていることです。
「運動は好きだけど苦手だからできるようになりたい!」に似た感じかもしれません。
Q4. リモートワークを円滑に進めるために心がけていることは何ですか?
この項目に関しては、大きく分けて「コミュニケーション」と「自分の作業」という2つの観点で見ていこうと思います。
【コミュニケーションについて心がけていること】
- チャットやテレビ会議でこまめに連絡を取り、情報共有をすること
- 誤解が生じる可能性を感じたら、すぐにテレビ会議で会話すること
- テレビ会議では極力顔を映すこと(非言語的コミュニケーションも大事にする)
- チャットでの連絡に対するリアクションをすぐにすること
- これまで簡単にできていた「ちょっと話す」が難しいので、早めの時間確保と準備(聞きたいことを明確にしておく)をしている
- やり取りの前後に雑談を挟むこと
- 相手が質問などしやすい雰囲気づくりを心掛けること
【自分の作業について心がけていること】
- 相手の返事が必要な連絡を先にして、返事を待つ間に他の作業を進めるようにしている
- 全体と個人の作業スケジュールを把握すること
- 効率の良い仕事の進め方について他のメンバーと情報交換をし、よりよい作業方法を模索すること
- 仕事前のルーティンを意識して、オンオフの切り替えを行うこと
- アロマを活用したり、家の中でもきちんと身だしなみを整えたりして、オンオフの切り替えを行うこと
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大きな課題と感じている人が少ない「コミュニケーション」についてですが、ここでは多数の意見が出ました。
特に「これまでよりもコミュニケーションの頻度と速さを意識して行動するようになった」という意見が重要かと思います。
また、自分の作業について心がけていることについては、オンとオフを切り替えられるようなスイッチとなる行動を決めている人が多かったです。
Q5. 在宅勤務準備一時金は何に使いましたか?
7月に、在宅勤務手当とは別に、在宅勤務準備一時金が支給されました。この一時金の使い道を聞いてみました。

椅子はおよそ半数の人が購入しているということでした。
かく言う私も、モニターやイヤホン、デスク等は既にあったため、椅子を購入しました。
中古でオフィスチェアを買いましたが、これがなかったらとっくの昔に肩や腰が悲鳴を上げていたんだろうな…と思います。
Q6. 今後もリモートワークが続くと思われますが、環境を整えるために今後買おうと思っているもの、やろうと思っていることなどあれば教えてください。
一時的なリモートワークであれば必要最低限の準備でよいですが、長期的に続いていく可能性が出てくると、追加で準備したいものや、やりたいことが増えてくると思います。
【購入したいもの】
- デスク
- 椅子
- モニター
- ペンタブレット
- webカメラ
- PCスタンド
- アロマ
- 部屋の仕切り
- 良いヘッドホン
- キーボード切替器
- 新しいルーター
- ヒーター
【やりたいこと】
- 引っ越し
- 模様替え
- 英語の勉強
- プロジェクトメンバーなどでタイミングを合わせて、5~10分程度の休憩時間を取り、雑談ができる時間を作ること
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やはり購入したいものとしては「椅子、モニター」の回答が多いですね。他にも、モニターなどの周辺機器を揃えていくのに合わせて、デスクの需要が高まるようです。
最初の質問で「作業スペースと生活スペースが同じで効率が落ちている」と答えた人からは、作業効率を改善するための行動の1つとして、環境を変えていきたいという前向きな思いも見えました。
また、やりたいこととして勉強を挙げているメンバーもおり、通勤時間などで浮いた時間を自己研鑽の時間として活用できるようにしていくこともリモートワークの長期化にあたって、重要なポイントだと感じました。
Q7. 自分や周りの人のリモートワークエピソードや「リモートワークあるある」があれば教えてください。
回答の中から一部抜粋してご紹介します。
- たまに電車に乗るとスマホをいじらず、風景を見てしまう。
- 子供が突然叫ぶのでクライアントとのテレビ会議は基本ミュート
- たまに出社するために出かけようとすると、子供から「お買い物?」と聞かれる。(仕事は家でするものと思っている)
- 飲み物を取りに行く度、子供から「お仕事終わった?一緒に遊ぼう?」と誘惑される。
- オンライン飲み会の際に回線の調子が悪く、1人が面白そうなことを言ったのに聞き取れなかったときはとりあえず愛想笑いをするしかない。
- 回線が重くてよく固まるメンバーがいるが、大体いい笑顔で固まっておりネタにされている。
- 背景を設定しているときに家族が後ろを通り、部分的に映り込んでしまう
- オフィスに出ているメンバーとテレビ会議をする際に、マスクをしているので、しゃべっているかどうかよく分からない場合がある
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テレビ会議に関するエピソードが多かったです。
お子さんとのエピソードもいくつかあり、ほっこりしたとともに、お子さんがいる家庭への理解や配慮も必要だと改めて感じました。
アンケートのまとめ
リモートワークでは、Web会議・メール・チャットなどの文字ベースでのコミュニケーションが主になるため、一般的にはコミュニケーションの量や質が下がり、パフォーマンスや成果に影響がでるという課題が出る場合もあります。
しかし当社の場合は、もともと風通しのいい環境で、みんなが頻度と速さを意識してコミュニケーションをとっているため、パフォーマンスに影響を感じている人は少ないようです。
普段と変わりなく業務ができている人や、時間配分や作業環境が自由になったことでより効率をあげて業務ができるようになった人の割合が高かったのは、普段から自己管理をきちんと行い、自発的に行動できるからこその考えであると感じます。
当社の「行動規範」の1つ、「Pro-Active(自主的に・自発的に行動する)」という考え方が根付いているのだと改めて感じました。
最後に
今回はアンケートの範囲が小規模でしたが、それでも「思っていたより1人1人の考え方に違いがある」と感じました。
実は、私は個人的にリモートワークがあまり自分に合っていないと感じていました。(Q1の回答は「どちらでもない」)
ですが、今回様々な意見を知って、「リモートワークとうまく付き合っていくために考え方を変えたり、環境を変えたりしていこう」と気持ちが前向きになりました。
当社ではリモートワークは比較的スムーズに導入でき、順調に定着してきたと思います。ただ在宅勤務の期間も長くなってきたため、今後も定期的に働き方について考える時間をとり、より高い生産性を求めていく必要があると考えます。
この記事が、リモートワークの導入やよりよいリモートワークの環境構築について、自分で考えたり、意見交換をしたりしていただけるきっかけとなれば、嬉しいと思います。