はじめに

Tech Blogをご覧頂きありがとうございます。
今回はオンラインホワイトボードツールのmiroについて、スクラム開発視点で考察していきます。
自己研鑽のために数人で開発を行っていた際に、イメージのすり合わせや意見交換のまとめをオンラインで簡単に出来るツールとしてmiroをに出会いました。
DXを進める際、アジャイル開発が適していることが多く、スクラムのようなアジャイルの手法で開発をする場合に、miroはとても相性がいいのではないかと思います。

こんな方におすすめ

 ・オンラインホワイトボード「miro」にご興味をお持ちの方 
 ・スクラム開発に携わっている方

本記事の構成

・オンラインホワイトボード「miro」とは?
・miroのセキュリティ
・オンラインホワイトボード「miro」のスクラム開発での使用イメージ
・おわりに 

オンラインホワイトボード「miro」とは?

①オンラインホワイトボード「miro」とは?

miroとは?

miroオンラインで共同作業ができるホワイトボードです。
複数人でひとつのボードをリアルタイムで編集できます。オフラインでホワイトボードを使用した会議を、オンラインで実現できるイメージです。
ホワイトボードに文字を書く、ふせんを貼る、といったオフラインでの作業がオンライン上でも直感的に操作出来ることが魅力です。
利用シーンに合った豊富なテンプレートを使用したり、図形や付箋などのオブジェクトを組み合わせてカスタマイズしたり、他のアプリと連携したりすることで、自分のイメージを手軽かつ迅速に表現できます。
直感的な操作が可能なので、イメージの共有が具体的かつスムーズに出来ます。また、テキストだけだとわかりにくいことを、図で表現出来るので、思考の整理ができるというメリットがあります。

miroの料金は?

miroには無料プランと有料プランがありますが、ここでは無料プランを使用します。無料プランでは以下のことが可能です。

  • ワークスペースは3つまで利用が可能
  • 共同編集が可能
  • 共有が可能
  • 目的別テンプレートが利用可能
  • データの容量は100MBまで利用可能

有料プランでは、ビデオチャットが可能だったりワークスペースの数に制限がなかったりと、活用の幅が広がります。
まずは無料で使ってみて必要に応じてプランの切り替えを検討してみてはいかがでしょうか。
特別にアカウントの作成などは必要なく、Googleアカウントを持っていればすぐに使い始めることができるので、手軽に始められることも魅力です。

②miroのセキュリティ

ビジネスシーンで使用する際には、セキュリティ面も重要なポイントです。ここからは、miroのセキュリティについて取り上げていきます。

miroのサーバー基盤は、Amazon Web Services(AWS)を利用しています。データの暗号化はSSLで実装され、データのバックアップはAES-256で暗号化されています。
また、シングルサインオンとドメイン制御、監査ログについてはプランによって利用できるセキュリティの機能が異なります。

上記の詳細についてはmiroの公式ページから参照できますので、ご確認ください。

オンラインホワイトボード「miro」のスクラム開発での使用イメージ

スクラム開発とは?

スクラム開発とは、アジャイルの手法のひとつで、スクラムチーム内での密なコミュニケーションと情報の透明性が重要です。
※今回はスクラム開発の概要ついての詳細説明は省かせて頂きます。

miroを使う利点


<密なコミュニケーションを実現>
・オンラインで宙に浮きがちな議論を視覚的に集約できる
・通話をしながら同期的に共同作業ができる
・参加者全員が手を動かしながら発想できる
・豊富なテンプレートがあるためイメージを容易に可視化できる

<情報の透明化を実現>
・URLひとつで多人数に共有できる
・他のアプリと連携が可能なので必要な情報を一ヵ所に集約することが出来る
・クラウド上に作業中のホワイトボードを保存できるのでファイルの管理をしなくてよい

このように色々な利点があるmiroですが、ここからはより具体的な使い方を紹介していきます。

miro×スクラム開発

スクラム開発におけるmiroの活用シーンを一部紹介します。

(1)開発スコープ
インセプションデッキを作成するタイミングで開発スコープを決めることがあると思います。その際に、miroなら図形と付箋を組み合わせるだけで簡単に作成出来ます。
必要に応じて、コメントを追加したり枠を増やすのも簡単に行えます。

開発スコープサンプル

(2)ユーザーストーリ―
アジャイル開発において「要件」の代わりに用いられるユーザーストーリ―。スプリントが始まる前に把握しておく必要があります。
これはmiroに元々あるテンプレートをベースに、付箋とコネクションラインを追加したものです。想定すべきユーザーストーリーをわかりやすく可視化することが出来ます。
一番上から順に青い欄に大まかなユーザーの行動、その下の黄色の欄に詳細な行動、3行目の欄により詳細な項目を記載します。
※ユーザーストーリーはフェイクです

ユーザーストーリーサンプル

(3)プロダクトバックログ
ユーザーストーリ―が完成し、次に作成すべきなのがプロダクトバックログです。プロダクトバックログは、ロードマップと要件に基づいて開発チームが行う作業に優先順位を設定したリストです。
これも(1)と同様に、miroに元々あるテンプレートをベースに、少しだけカスタマイズしたものです。
テンプレートを使用することで、自分で一から作成しなくても、すぐにイメージを形にすることが出来ます。最初はテンプレートを自分の用途に合わせて変更していくといいでしょう。

プロダクトバックログサンプル

(4)工数見積もりポーカー
プロダクトバックログを作成することと同時期に、チーム全員で工数の見積もりを行います。
miroでは見積もりについても図形と付箋だけで簡単に行えます。
対話を行いながらポーカーをして、意見のすり合わせをスムーズに行うことが出来ます。

工数見積もりポーカーサンプル

(5)デイリースクラム議事録サンプル
スプリントが始まると毎朝行うデイリースクラムの議事録です。
これはmiroのテンプレートそのまま使用しています。
横軸で人、縦軸で昨日行ったこと、今日行うこと、課題をわかりやすく把握できます。もちろんこのテンプレートは使わずスプレッドシートにまとめてmiroに埋め込んで保存することも出来るので、好みによって使い分けも可能です。

デイリースクラム議事録サンプル

(6)バーンアウトチャート
実際にスプリントが始まって、期限までに全ての作業を消化できるのかを一目でわかりやすくするためのバーンアウトチャート。
今回はGoogle Driveと組み合わせて使う方法を紹介します。
miroでは他のアプリをホワイトボード上に埋め込んで作業することが可能です。ですので、スプレッドシートでバーンアウトチャートを作成し、ホワイトボードに埋め込んでおけば他の資料と一緒に更新、管理することが可能になります。

バーンアウトチャートサンプル

今回紹介させて頂いたのは一部で、まだまだ他にも既存テンプレートや他のアプリとの連携、図形や付箋の組み合わせによって実現出来ることは沢山あります。

以上のように、miroを活用することで、スクラム開発に必要な情報を一括で管理し、スムーズにイメージの共有を行うことをが可能になり、密なコミュニケーションや情報の透明性が実現できます。

おわりに

いかがでしたでしょうか。
DXの需要と比例してスクラム開発の需要が高まっています。スクラム開発を行うにあたって重要な「密なコミュニケーション」と「情報の透明性」が実現でき、リモートワークでのコミュニケーションツールとしても活用できる、miroのようなツールの活用シーンもどんどん増えていくと思われます。
時代の需要に合わせて進化していくツールを上手に取り入れつつ、プロジェクト推進を円滑にしていくことは、我々の重要なミッションです。
今後も常にプロジェクト推進に役立ちそうなツールの情報を収集しておき、miroのような良いツールをご紹介したいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。