この記事でわかること

本稿では、BIツール「Tableau」と、その予測機能「Einstein Discovery」を連携する方法について解説します。

目次

  • はじめに
  • 2つの連携方法
  • Tableau との連携方法 その1:拡張機能
  • Tableau との連携方法 その2:計算フィールド
  • まとめ

はじめに

Salesforceが備えるBIツール「Tableau CRM」には「Einstein Discovery」という機能があります。
この機能を使うと、例えば過去の実績データから予測モデルを作成し、未来の数値を予測してビジュアライズするといった、ビジネスに役立つ業務ができるようになります。
Tableau 2021.1から、予測モデルをTableau から容易に呼び出すことが可能となったので、本稿ではその方法を解説します。

2つの連携方法

Tableau とEinstein Discoveryを連携する方法は2つあります。ひとつは「拡張機能」を使った連携、もうひとつは「計算フィールド」を使った連携です。
それぞれに異なる良さがありますので、実現方法とともに解説していきます。

Tableau との連携方法 その1:拡張機能

まずひとつは「拡張機能」を使った連携方法です。
Tableau Desktopのダッシュボードシートで、左下のオブジェクト一覧から「拡張」をドラッグ&ドロップすると、下記のような、拡張機能の追加ダイアログが表示されます。

ここから「Einstein Discovery」を検索し、ダッシュボードへ追加することで、予測結果をダッシュボード上に表示することができます。

しかし、その前に準備が必要です。まずひとつは、Tableau CRMの方でEinstein Discoveryの予測モデルを作成し、リリースしておくということです。(本稿ではその手順については記載しません)

もうひとつは、明細データを持ったワークシートを作成しておくということです。そのワークシートに表示されている明細データがEinstein Discoveryへ送られ、予測値が結果として返ってくると考えるとイメージしやすいかと思います。
新しいワークシートを作成し、そこへ必要なフィールドを配置していきます。ここで大切なことは、このワークシートには予測モデルを作る時に使用した項目がすべて配置されている必要があるということと、各項目のデータ型も予測モデルと一致している必要があるということです。それが満たされていれば、見た目は単純な表形式で構いません。

これで準備が整ったので、改めて拡張機能をダッシュボードへ追加します。そうすると、下記のようなダイアログが表示されます。

上部の「Prediction Difinition」という欄が、使用する予測モデルを選択する欄です。
そして、下部の「Worksheet」の欄で、先ほど作成したワークシートを選択します。
「Proceed」を押して先へ進みます。

次の画面では、予測モデルに定義されているフィールドと、ワークシートに配置されているフィールドの紐づけを行います。(フィールド名が一致しているものは自動的に紐づけてくれます)
前述の通り、ワークシートにすべてのフィールドが配置されていて、型が一致している必要がありますので、注意してください。

最後の画面では、予測値のタイトルや単位などの設定を行います。
これで、連携の設定は完了です。

画像のように、予測値が大きく表示され、さらにその下には、予測値の根拠となる要素や、改善するために有効なアクション等が表示されます。予測値だけでなく追加の情報も同時に表示されるのが、この連携方法の良さです。

Tableau との連携方法 その2:計算フィールド

もうひとつの連携方法は「計算フィールド」を使った方法です。
Tableau Desktop上で計算フィールドを作成するのですが、その内容は自分で構築するのではなく、予測モデルから提示されたものをコピーするだけという手軽さです。
Tableau CRMの「モデルマネージャ」から使用する予測モデルを選択し、設定画面の「Tableau テーブルの計算を作成」を開くと、計算フィールドの内容が表示されますので、それをそのままコピーして、計算フィールドに貼り付けましょう。(必要に応じて、フィールド名をTableau 側のフィールド名にあわせて修正します)

これで準備完了です。
あとは、作成した計算フィールドを任意のワークシートへ配置することで、予測値が表示されるようになります。

拡張機能を使った連携方法と違い、取得できるのは予測値のみです。その代わり、表現方法を自由に選択できるというのが、この連携方法の良さです。

まとめ

以上のように、簡単な手順で、Tableau とEinstein Discoveryを連携し、強力な予測機能を使用することができます。
Salesforceを利用していない方でも、Einstein Discoveryは単独のライセンスで使用可能ですので、ぜひ試してみてください。