この記事でわかること

本記事でご紹介するのは、2021年3月にリリースされたTableauのニューバージョン【Tableau2021.1】について一部ご紹介させていただきます。

目次

  1. Tableau + Einstein Discovery
  2. クイックLOD
  3. 統一された通知エクスペリエンス
  4. Microsoft Azure接続の改善
  5. 製品内拡張ギャラリー
  6. Tableauを使用したカスタマー360オーディエンスコネクタ
  7. 空間ファイルのサポート拡張
  8. Webオーサリングの改善とデバイスデザイナー
  9. Tableau PrepでExcelに書き込む
  10. まとめ

1.Tableau + Einstein Discovery

今回のTableau2021.1の最も注目すべき追加項目はSalesforce製品のEinstein DiscoveryがTableauに組み込まれたことでしょう。
ではEinstein Discoveryが追加されたことによって何ができるようになったのでしょうか?

・Einstein Discoveryとは?
機械学習、人工知能 (AI)、統計分析を利用してデータ分析を行うことができるツールです。データを分析、パターンやテーマを検出する事でユーザーが理解しやすいような形で重要度の高いインサイトを自動で表示してくれます。
例えば、次のようなビジネス成果 (KPI など) に関する重要な質問への回答が得られます。


  • データ内で何が起きたか? データ内で何が統計的に有意または異常か?
  • それはなぜ起きたか? 結果に影響した可能性があるのはどの要因か?
  • 一部の要因がその他の要因とどのように比較されるか? どのような相互関係があるか?
  • 今後何が起きる可能性があるか? 統計分析によってトレンドが検出されたか? または、このデータによって異常な事象が検出されたか?
  • 予測された結果を向上させる可能性があるアクションは何か?

    Salesforce Trailhead (Einstein Discoveryの基礎)から引用

・Einstein Discoveryダッシュボード拡張機能
上記で書かれたEinstein Discoveryの機械学習、人工知能 (AI)、統計分析によって導き出された結果をダッシュボード内で見ることができる機能が追加されました。これにより専門的な知識や経験がない方でも次にとるべき行動の予測を行うことができます。

1.デモ動画

・Tableau CalcsのEinstein
Einstein DiscoveryがTableauの計算エンジンに統合されたことによりEinstein による予測値を Tableau の計算フィールドに直接組み込むことができます。
注:Tableau DesktopおよびTableau Serverで使用できます。

2.クイックLOD

今まではLOD計算を用いるために計算式をユーザー自ら新しいメジャーとしてLOD計算式を記述していく必要がありましたが、クイックLODでは該当するメジャーをキーボードのCtrlキーを押しながらディメンションの上にドラッグ&ドロップするだけでLOD計算式を作成することができます。
Tableau公式サイトにて公開されているデモ動画のリンクを載せておきました。クイックLODではFIXEDの式のみ自動で作成してくれます。INCLUDEやEXCLUDEを使用したい場合は書き換える必要がありますのでご注意ください。

2.デモ動画

3.統一された通知エクスペリエンス

Tableau ServerやTableau Onlineで共有・コメント・抽出・フローに関する通知がすべて一ヶ所に表示されるようになりました。
また設定で Tableauで直接 or 電子メール通知で受け取る のいずれかを選択することも可能です。
下記画像の右上赤枠のベルマークに全て統一されました。

4.Microsoft Azure接続の改善

Azure SQL Database(Azure Active Directoryを使用)およびAzure Data Lake Gen 2のデータに接続できるようになりました。下記画像はTableau Desktopのデータベース選択ページを表示したものです。赤枠で囲っている箇所に今回追加されたデータベースの名称が確認できます。


5.製品内拡張ギャラリー

サイドバー下部にある赤枠を押すと「拡張機能を追加する」というポップアップメニューが開かれます。ここから様々なTableauの拡張機能を選択、適応、検索することが可能になりました。

この機能の実装により今まで拡張機能を適応するために一度作業画面から離れ、拡張機能ギャラリーのページへ遷移し適応する機能を選択しなければならなかったのですがその必要がなくなり画面の遷移をすることなく拡張機能を適応することが可能です。

※下記はTableau Desktopの編集画面

6.Tableauを使用した360オーディエンスコネクタ

2020年12月8日にSalesforceから発表されたCustomer 360 AudienceがTableauとネイティブ接続可能になりました。
Customer 360 Audienceとは一言でいうとセルフサービス顧客データプラットフォーム(CDP)です。
単一の顧客IDを作成し、メールやオンライン履歴、などから顧客データの一元管理を行うことで顧客の分類を行い分析することができます。
今回そのCustomer 360 Audienceが下記の画像のようにTableauから接続可能になりました。



7. 空間ファイルのサポート拡張

KMLファイルとその圧縮ファイルタイプであるKMZファイルに直接接続できるようになりました。
KMLファイルとは、地理データと関連コンテンツを格納するための XML ベースのファイルの事を指します。
以前から空間ファイルのShapefile形式やGeoJSON形式の取り込みを行うことができましたがKMZの追加でGoogle Earth, Google Mapなどの地理データが取得しやすくなりました。

また、KMZファイルの追加だけでなくSnowflakeから空間データを直接接続してインポートできるようにもなりました。

8.Webオーサリングの改善とデバイスデザイナー

・Webでのダッシュボードのレイアウトを追加、編集、およびカスタマイズして、電話、タブレット、またはデスクトップなどの変更が行えるようになりました。こちらの機能は2020.4まではDesktopのみ使用可能の機能でした。
Tableau Onlineにアクセスしダッシュボードの編集画面へ移ります。下記の赤枠「デバイスプレビュー」からそれぞれのデバイスに対応した画面を見ることができます。

・ダッシュボードオブジェクト名の変更や浮動オブジェクトの階層変更が可能になりました。
下記画像の赤枠部分に存在するシーと名をドラッグ&ドロップする事でダッシュボード内にあるシートの階層を変更可能。
下記画像では「カテゴリごとの利益」シートが階層の上位にあり、中央のダッシュボードにもその階層どおり「カテゴリごとの利益」シートが一番上のシートとなっていることが確認できます。
またシート名を右クリックする事で名前の変更をすることも可能です。

9.Tableau PrepでExcelに書き込む

Tableau Prepでは、出力機能を拡張してExcelへの書き込み機能を追加しました。今まではCSVファイルやHyperファイルにデータを書き込むことしかできませんでしたが、新しくExcelファイルを作成したり、既存のファイルのデータを追加/置換したりすることもできます。

10.まとめ

今回はTableau2021.1についてご紹介しました。
本記事ではご紹介出来なかった機能もいくつかありますので是非Tableauの公式サイトをご覧ください。
Tableau公式サイト【Tableau2021.1】

また、Tableau2021.1について簡単にまとめた動画がありましたのでこちらも興味のある方はご覧ください。
Introducing Einstein Discovery in Tableau(YouTubeの動画なので日本語訳を付けることができます。)